掲載日:2016年9月
執筆者: Erin Trachet、オンコロジー部門シニア科学顧問 / プロポーザルディベロップメント部門シニアマネージャー
腎臓癌は主に高齢者に発症し、診断の平均年齢は 64 歳です。腎臓癌は米国で最も一般的な 10 種類の癌のひとつであり、総合的な生涯のリスクは約 1.6% です。腎臓癌に最も多い形態は腎細胞癌(RCC)で、全症例の 90-95 % を占めています。残念ながら、疾患が進行するまで症状が現れないため、治療の選択肢は限られます。進行期(ステージ 4)の患者の 5 年間の生存率が 8% という思わしくない予後を考えると、治療の選択肢を確実に評価するには予測前臨床モデルが必要です。皮下異種移植モデルには価値がありますが、原発組織で成長する癌の複雑さを捉えることはできません。同所性モデルは、治療反応だけでなく、原発組織や組織微小環境への影響も評価する手段を提供します。これは、腎機能を維持するうえで非常に重要です。
図 1:同所性 786-O (pMMP-LucNeo) ヒト腎臓の平均 BLI シグナル
図 2:同所性 786-O (pMMP-LucNeo) ヒト腎臓癌の生存率
In an effort to address this unmet need, we have developed an orthotopic RCC model, 786-O (pMMP-LucNeo) through implantation into the sub-renal capsule. この細胞株はルシフェラーゼでトランスフェクションされているため、生物発光画像法(BLI)による疾患と応答のモニタリングが可能です。786-O の腫瘍を持つマウスでは、スニチニブの抗癌活性について評価しました。治療では臨床的に関連性の高い活性を生み出すことはできませんでしたが、対照群とスニチニブ治療群の間には明らかな差がありました。時間の経過とともに、このモデルの腫瘍の増殖は再現性と信頼性が高くなっており、RCC を標的とする新たな治療法の試験に役立つことが分かりました。
図 3a:疾患の進行状態を示す代表的な画像 - 媒介対照群
図 3a:疾患の進行状態を示す代表的な画像 - スニチニブ 60mg/kg PO、QDX28
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